1月26・27・28日

・1月26日。木曜日。代休を利用して調髪。今更ながら今度はじめてIKEAに行くという話をしたら、ミートボールは絶対に食べるべきだとか、サラダバーは皿が小さいから食べては行けないとか、延々と食べ物の話で盛り上がる。夜は三軒茶屋のシアタートラムでてがみ座の「乱歩の恋文」。初演は見てゐないのだが、役者の演技はともかくとして、本当によく書けてゐると思ふ。日本近代文学を築いた先人たちをユーモアたつぷりに蘇らせる手腕は見事である。この劇作家が、井上ひさし‐永井愛の正統なる継承者となりうると思はせる一方、先般の金子みすゞを素材とした芝居と「おんなじ思考」が透けて見えてしまつて、なんだかなあといふ気もした。会場で会つた友人Nさんと近くの立ち飲みへ。ハイボールを3杯ほど。

☆乱歩てふだめな男や燗熱く

・1月27日。金曜日。午前中から打ち合はせ。週末のよしなしごとをあしらひつつ、夕方より、神保町の店Gへ。句会の前に酒を飲んでは先生に怒られるのではないか、と恐れつつも麦酒を1杯。しかし、しばらくして先生が陽気な雰囲気でやつて来た。はああ。もう1杯ほど飲んでも大丈夫だつたか。さういふわけで、7時より句会。兼題は「若水」と「乾鮭」。終了後、瓶ビール1本と赤ワインをハーフボトル程度。閉店間際、若者が沢山ゐるのを見たSさんが「焼肉を予約してきたぞ」といふ一言。いざ7人で向かひの焼肉屋へ。11時をすぎてから食べるにはあまりにも贅沢な肉だつた。そして横でひたすら肉を食つてゐたOくん(就職活動中)を見て、若いわねえと思つた。12時すぎに健全に電車で帰宅。

☆寒月や焼肉店を後にして

・1月28日。土曜日。午後より国立へ。一昨年の12月に54歳の若さで亡くなつた大学時代の恩師を偲ぶ会。立食をしながら、ご友人のスピーチを聴く。K先生のことを知つたのは、予備校の時だつた。本郷の哲学科出身だつた英語講師のO島先生に、大学で哲学を勉強したいと相談したら、永井均中島義道らと並んで(どういふ並びだつたかは忘れたが)K先生の名前が出たのだつたと思ふ。そのO島先生が今日のスピーチで、K先生が亡くなつてから、いろいろな「もの」を通じて、エピソード記憶的にK先生の顔が浮かぶのだ、といふ話をしてゐた。さすがいいことを言ふなあ、と思ひながら、隙を見て詰め寄り、「私はK先生の顔を思ひ浮かべると、O先生のことを思ひ出しますよ」と笑ひながら、予備校時代の話をした。向かふは勿論驚いてゐたけれど、さうやつて10年ぶりに感謝を伝えることができて、本当に良い日であつた。

☆先生の眼差しやさし春隣