9月10・11・12日

・9月10日。金曜日。午前中から用賀に出かけて、世田谷美術館の「ザ・コレクション・ヴィンタートゥール」展をみる。エドゥアール・ヴュイヤール(1868-1940)という人の絵はいいですね。オルセーで見たときは、それほどいいとは思わなかったけれど。しかし学生入場料が1100円のところ、手持ちが1000円しかなくて、一度引き返してコンビニ探しに奔走することになった。自業自得。業ありて得なし。おかげでぐったり疲れて、夜は宝生能楽堂で「三井寺」「瓜盗人」「一角仙人」を見る(少しうとうとしたが、「一角仙人」はスペクタキュレールで眠気が飛んだ)。パンフレットで能楽研究者の表章が数日前に亡くなったことを知る。

・9月11日。土曜日。午前中にK前さんから電話があり、新宿でちょっとしたお手伝い。無事、任務完了。K前さんのほうは、妊娠中の奥さまを連れだって、これから新居用の電化製品を見て帰るというので、その場でお別れする。こちらは喫茶ピースに行き、珈琲を飲みながら、長谷川三千子『日本語の哲学へ』を読む。その後、夕方から新宿界隈でちょっとした打ち合わせがあり、それが終わるや男4人で飲みにいく。しばらく禁酒をしている人が真横でビール(のちワイン)を飲んでいたので戦々恐々だったが、元気そうでなによりだった。飲み過ぎたのはこっちだったようで、帰宅後そのまま床につく。

・9月12日。日曜日。夕方から吉祥寺シアターにて笠井叡×BATIKの「カルミナ・ブラーナ」を見る。女性的なBATIKの舞台が、笠井の闖入によって中性的(?)となる面白い舞台だった。カール・オルフは、戦間期にダルクローズの理論に共鳴して、音楽をダンスに結びつける試みをしているという。今回はその笠井版というわけで、音楽の予想させる動き(←つまり固定観念ということだが)の裏切りの連続だった。夜は、ひさしぶりにM田に会い、吉祥寺で食事をする。来年から東京にいないかもしれないということで、数年間貸してた本を返してもらい、おまけに二十世紀梨をいただく。