10月5・6・7日

・10月5日。やんごとなき会議ふたつ。夜は友人Hに誘ってもらった飛鳥山薪能にて、能「清経」と狂言「鐘之音」を見にいく。少し早く到着したので、王子駅付近を散策していたところ、いくつもの洗礼を浴びることとなった。王子には、魔物がすんでいる。できることなら、点をひとつつけて、玉子にしてやりたいくらいだ。梅若六郎は噂に違わず、面白い。今日は能とは思えぬほど、スピーディーであった。しかし屋外とはいえ、音響には耐えられない。もう少し「立体的に聞こえる」ようにできないものか。結局、神楽坂の居酒屋にいき、軽い食事。ビールと日本酒2合ほど(「天狗舞」と「酔鯨」)。

・10月6日。今日も会議。体力があれば、青年団の「砂と兵隊」のフランス語ヴァージョンを見にいこうと思っていたのだが、けっこう疲れていたので、断念。11月の予定は、地獄絵図である。「芸術の秋」という言葉があるが、あれは年度内の予算を使おうと思ったら、どうしてもこの時期にイベントが集中するということなのですね。ゲージュツ関係の方々は、それまではこんなにたくさんの企画ができて嬉しいとかほざいているのだが、いざその時期になると、みんな似たような企画を同じ時期にたてていることを知り、それどころではなくなってしまう。ということが毎年のようにあるというわけである。

・10月7日。木曜日はちょっとしたお休み。午後からPさんのもとにゆき、ちょっとしたお話をする。その後、なぜか書庫整理のお手伝いをすることになって、夜は東京芸術劇場結城座の「黙阿MIX」を見にいく。結城座の芝居を見るのは、実に6年半ぶりである。とても個人的なことだが、自分で(ひとりで)劇場通いするようになって、最初に見たのが蜷川の「タイタス」で、その翌日(2本目)が結城座の「屏風」だったわけで、その前に授業で発表したのが青年劇場の「銃口」(←三浦綾子の小説の舞台化)だったことを考えると、なかなか「幅広い」観劇をしていたことになる。まあ、単純に何見ればいいかわからなかっただけなんですけどね。終演後、知人らと6人で駅前の居酒屋にて飲む。焼酎4合を麦芽飲料で薄めて飲む。おじさんたちは全員ハイボール