10月19・20・21日

・10月19日。水曜日。今日はお休み。もしも仕事があつたら、文科省まで偉い先生方のお供をしなければならなかつたのだが、幸ひして、家のなかでごろごろする日となつた。夕刻より、自由が丘で友人のNさんとFさんと3人で飲む。最初は「金田」といふ駅前の居酒屋で、料亭風とは言はないまでも、旬のもので作つた小皿のおつまみを肴にして、瓶ビール(赤ラベルであつた)で喉を潤したのち、日本酒を2合ほど。Fさんが「からだが炭水化物を欲してゐる」と本能的欲求を告げるも虚しく「ごはんものはないんですよ」といふ返事。酒飲みの店だねえ。日本酒の数がもつとあつたら嬉しいけれど、料理も旨かつたし、いい店だつた。7時以降は予約不可だといふのでご注意を。そのあと、14周年を迎へたらしい「Speyside Way」といふバーでウヰスキーを2杯ほど。御岳山の話など。2人が結構酔つ払つてゐて、コントのやうなやり取りを終始してゐた。

☆衣被剥きつつ恋の話など

・10月20日。木曜日。朝から書類作成など。夜は池袋にて鳥公園の「おねしょ沼の終わらない温かさについて」を観る。決してつまらなかつたわけではないのだが、もやもやしたものが残る芝居だつた。一言で言ふなら「裏グータンヌーボ」かしら。優香や江角マキコにあの台詞を喋らせてみたいものですね。でも、かういふ作品で劇評を書く人は大変だと思ふ。ひさしぶりに池袋に来たことだし、一人で「硯家」といふ明治通り沿ひのうどん屋へ。うどん屋なのだが、日本酒がたくさん置いてあるお店なので、この時期はつい行きたくなつてしまふのである。今日は白子の天ぷら、穴子の白焼きなどをいただきながら、「水芭蕉」のひやおろしなど。旨し。

うどん屋でひとり頂く新走

・10月21日。金曜日。朝から書類作成など。夜は六本木にてカルロッタ池田、パスカルキニャール(!)、アラン・マエといふ現代音楽家によるパフォーマンス「王女メディア」を観る。キニャールの朗読は、彼なりのメディア論(「メディアは真昼に物思ひにふける」)で、少し嗄れた声がセクシーであつた。メインはカルロッタ池田の踊りだつたのだらうけど、キニャールのパフォーマンスのはうが印象的だつたのは、私だけではなかつたでせう。小屋を出ると外は雨。M川さんと、(一昨日も飲んだ)Fさんと3人で駅前のお好み焼き屋へ。ネギ焼き、そばめし、シーザーサラダなどをいただきつつ、ビールを1杯。昨日の鳥公園の話など。

☆秋雨やメディアはけふも物思ふ