10月22・23・24日

・10月22日。土曜日。昼は近所でカレー。少しばかり部屋の片付けなどして、夜はキラリ☆ふじみに多田淳之介演出の「あなた自身のためのレッスン」(清水邦夫作)を観にいく。原作を読んだことはなかつたけれど、当日パンフレットを読んで、舞台が公共ホールであると知る。しかし、結構長つたらしい芝居で、集中力を保つのがむつかしい。照明にかなり気を使つてゐたらしいのだが、「演出」と呼ぶところまでは行つておらず、「演出家は何をしたんだ?」といふ疑問を抱えて帰宅。今更言ふことではないけれど、富士見市のこの劇場はアクセス的に「ただ芝居を観にいく」だけになつてしまふ。今日の芝居には、公共ホールの下には屍体が埋まつてゐる、といふ台詞が出てくるのだが、まづはきちんと人を殺して、埋めるところからスタートしなければならないと思ふのである。

☆行秋を臨時バスより眺めけり

・10月23日。日曜日。10時に起きる。午前中から知人たちと深大寺植物園および深大寺にて吟行。T田夫妻、I田夫妻を含めて、総勢19名の参加。三鷹市民であるといふことにて、声をかけていただいた。しかし盲点。こんなに近いところにあつたのに、三鷹に住んで早5年目、深大寺には行つたことがなかつたのである。昨日の雨のために低い位置にある薔薇の花は折れるやうにして垂れてしまつてゐたが、今日は秋晴れで汗ばむほど。深大寺にもたくさんの人が出てゐて、お昼はKさん、S山さん、Mちゃんと模範的に「深大寺そば」をいただいた。主宰がいないからと控えめに深大寺ビールを1本づつ。その後、吉祥寺に移動して句会。写生句を読んだつもりが、S山さんに「シュールすぎて取れなかつたよ」と言はれる。うーん。その後、8人で打ち上げとなり、さらに残つた4人で「いせや」で30分ほど立ち飲み。「また明日」と言つて、帰宅。

☆武蔵野の一段高き秋日かな

・10月24日。月曜日。9時に起きる。やや昨日の酒が残つてゐる感あり。夜は月例の超結社句会。今月は、事前投句制の句会に出した句はほとんど考える時間なく作つた句だつたので、無選覚悟だつたのだけど(点が入ればいいと言ふわけではないが、やはり入らないのは淋しい)、免れるどころか、講評でニューヨークから来日してゐるPさんにコメントまでしていただける光栄。ただし、その句は他の方々からは「ふざけてゐる」と言はれる始末。やはり食べたことない食べ物、といふか視覚的に嫌悪感を催す食べ物(この場合は柿です)について詠むといふのは難しい。柿色のもの(雲丹、南瓜、夕張メロン、マンゴーなど)は、ほとんど食べたことがないので、困るのですね。柿が太陽の光を受けてあんな色になつた、のやうなことさへ罪悪感が伴ふ。今日はあまり飲まずに帰宅することに。

☆柿食うたことのなきかな三十年