12月15・16・17日

・12月15日。木曜日。夜、ひさしぶりに上野の東京文化会館にピアノを聴きに行つた。ロヴロ・ポゴレリッチ(1970-)といふ強面の演奏家のリサイタルである。前半はリストが中心で、後半はムソルグスキーの「展覧会の絵Tableaux d'une exposition」(1874)。展覧会…はやや期待外れだつたが、アンコールの最後の曲がリストの「灰色の雲Nuages Gris」(1881)といふ曲だつたのが印象的だつた。音が少しづつずれていく、ゆつたりとした暗い曲。素人考へだけど、かういふ曲を最後にもつてくるピアニストも、なかなかいないのではないかなあ。上野駅前の居酒屋でひとり酒。ホッピー黒を2杯に、魚串などをば。

☆晩年のリストを聴くといふ寒夜

・12月16日。金曜日。いつもより少しだけ早起きして、ひさしぶりにお弁当を作る。一昨晩作つたおでんの残りと、牛肉と玉葱の炒め物、サラダ、冷凍食品の白身魚フライ。今日はひたすら原稿執筆。「要約しにくいもの」についてわかりやすく書くことがなかなかできず、今日までひつぱつてきたのだけれど(すみません)、半日がかりでようやく提出することができた。5、6枚程度でと言はれてゐたのだが、結局20枚近くになつてしまつた。しかし、考へ倦ねての20枚であるので仕方なしと思ふ。5、6枚で書けるものなら、方法を教へてほしい。駅前の焼き鳥屋でホッピーの黒を2杯に、串焼きなど。

☆男子弁当よべのおでんを詰め込みて

・12月17日。土曜日。8時半に起きる。やはり冬物の蒲団はぬつくりして気持ちがよい。結社の吟行のために横浜へ向かふ。渋谷駅で主宰の赤い後ろ姿を発見して、目的地まで一緒に移動する(話は変はるが、東横線のホームで高校の同級生Sにばつたり会ひ、声をかけられた。よくわかつたなあ)。見事な冬晴の下、30名余りで石川町から異人館などを回つて、中華街にて句会。比較的若い(!)40代の方から、上はおそらく70代の方まで、「前提を共有してゐないとわからない話」を聞くことができるので面白い(わたしは「全然知らない話」を聞くのが好きなのである)。たらふく紹興酒を飲んで、7時すぎに散会。YさんやNさんたちとJR経由で帰宅。

☆水洟のフェリス学院女学生