7月22・23・24日

・7月22日。木曜日。暑い、暑いと言いながら、午後から図書館へ。偏西風の影響だとかで世界的に猛暑であるらしく、ドイツからは電車に冷房がないのでつらいという話、ロシアからは酒飲んで海に入って2000人(?)が死んだという話。本当なのだろうか。

・7月23日。金曜日。夕方から前期最後の例会。無償であるべき学びの場に、報酬の原理を持ち込まれた途端、一挙に何かが失われてしまう。自分の欲望をつくっているのは自分の欲望以外のものであるはずなのに、自分の欲望を通すことが自分の欲望の人にはそれがなかなか通じない。これがつらいところだ。
もうひとつ、これに絡んで「忙しい」という言葉は決して口にしてはならないということがある。なぜなら、われわれヘタレ人文系の人間の「忙しい」など、外資系企業や医療の研修やマスコミ各社で酷使されている人からすれば、たかが知れているからだ。そんなことを言ったら最後、罰に当たる。というか袋だたきにされる。
しかし実際には「忙しい」という語を発話する機会は存在するのであって、結局のところそれが意味するのは「あなたと話している時間はありません」、もっと言えば「あなたと話している時間は(わたしにとって)無駄な時間です」という言明にほかならず、これはもはや時間がどうとかスケジュールがどうとかいう問題でない。態度の問題である。
夜は、「忙しい」とは決して言わない知人たちに合流して、神楽坂で阿波踊りを見たのち、冷房のきかない居酒屋でビールを2杯、ホッピーを4杯ほど。最初は暑いと思っていたが、次第に慣れて、やっぱり夏は暑くなければ、とむしろ快楽と取り違えて酒がすすむ。そのあと駅前のバーで、イタリアのラガービールを1本飲んで、大人しく帰宅。

・7月24日。土曜日。昼は近所でカレーを食べて部屋で仕事。夕方は新宿にて「月末劇場」。今月はいつもの椅子席ではなく、御座が敷かれていた。演目は岸田國士の短編二本だったが、後半の「隣の花」が面白い。夜は池袋で小学校来の友人と食事をする。隣のおばさんから日本酒を3合もおごっていただいた。ステキなお兄さんに、と。