10月25・26日

・10月25日。通常業務。夕方、神保町のさるお店に足を運び、一瞬だけ句会に混ぜていただく。すでに予定を入れてしまっていたので、「選句」だけをして踵を返すという傲慢さに、句神のお怒りを買わないよう、自分が素直に面白いと思った句を選んではきたが、季語の広がりがまだまだ「身体的に」了解できていないのが痛い。季語は文化的アーカイヴ、ということもあろうが、しかし逆にいえば、それは感じ手(つまり人間の感覚)のアーカイヴでもあるわけで、そこがとても面白い。俳句ではなく短歌であるが、そんなことを佐々木健一『日本的感性』を電車のなかで読みながら、思う。夜は、世田谷パブリックシアターでピーピングトムの「ヴァンデンブランデン通り32番地」。映画的な想像力と、ダンサーの類まれな技術が、観客をはぐらかすような舞台だった。ひさしぶりに「じゃじゃ麺」を食べて、帰宅。

・10月26日。1時間寝坊した。やはり、上半身裸で寝たのがいけなかったらしい。そして、数日前に「休みの日でも、朝に目覚めてしまうのが、怖い」的なことを書いた自分は恥ずかしい。謝ります。ごめんなさい。夜は、三鷹のさる劇場にて、MCRという劇団の「神様さん」という芝居を見る。若い劇団だから言うわけではないが、それにしてもあまり褒める箇所の見つからない舞台だった。残念である。まず、コントがやりたいのか、演劇がやりたいのかが態度としてあいまいだし、たぶん映画とかドラマとかの場面の切り替わりの影響なのだろうけど、構成にメリハリがなく、結局のところ「ミサイル」「外国人」「ネコ」という無茶な線を引っ張ることで、無茶なオチをつけてしまって、ああやっぱり、と拍手する気さえ起きなかった。というわけで、劇場近くの焼鳥屋で瓶ビール2本と、串焼きを少々いただいて、帰宅。寒くなってきた。