11月1・2・3日

・11月1日。月曜。はや11月。しかし先週からひき続いて申請書類の加筆・訂正に追われて、この有り様。11月は劇場に30回くらい行かねばならないというのに、これでは先が思いやられる。この日の日記を10日後に書いているというのも、「そういうこと」である。先週の金曜はずいぶん先の未来の視線を注いでしまったが、完全に灯台もと暗し。教育一家の不良息子。箸のついてない豪華弁当。浮気相手が父親の愛人。まあ、そういうことだ。夜は、シアタートラムにイキウメを観にいった。面白いところもあるが、深みがないのがつらい。娯楽であって、それ以上ではない。三谷幸喜路線か?

☆神の留守なるべく派手な服を着る

・11月2日。火曜。通常業務のち、B国のとても発音しにくい名前の教授による講演会に足を運ぶ。声とそれが与える感情を4つの象限に分類するという発想=タテ軸に落ち着きの度合い(精神性)を、ヨコ軸に興奮の度合い(動物性)をとって、第1象限から順に、「説教」、「新プラトン主義」、「ロシア正教」、「ラマ教」みたいな感じで事例をあげていくのは、面白かった。あえて演劇で言うなら、第1象限から井上ひさし山海塾鈴木忠志唐十郎って感じでしょうかね。楽しく精神性を訴えるのが井上ひさし、厳粛に精神性を訴えるのが山海塾、厳粛に肉体に訴えるのが鈴木忠志、そして楽しく肉体に訴えるのが唐十郎だと?

☆二十七才五臓六腑も冬支度

・11月3日。水曜。午前中はさるシンポジウムにいこうかと思っていたのだが、昨日ちょっと飲み過ぎたせいか、体がちょっと重く、二度寝。午後から西巣鴨に繰り出し、ジゼル・ヴィエンヌの「こうしておまえは消え去る」を観る。映像でしか見たことなかったが、少なくとも人形の使い方に関する限り、きわめてはっきりとしたドラマトゥルギーがある作品である。だが、その背後にある物語、ジゼルお得意の暴力的で残酷なイメージが語られるのだが、それが舞台と合っていたかどうか?疑問が残る。文字通り、観客は「煙に巻かれた」という印象が強い。

☆人形に猛禽類まで文化の日