11月7・8・9日

・11月7日。日曜日。午後から池袋に出かける。こんなに秋晴れなのに、室内で映像を観るというのは、とてもうしろめたいが、マールターラーの代表作「ムルクス」(2時間くらい)と、「家族会議」というドキュメンタリを観る。昨日の上映は機械の不具合で中止になったそうだが、字幕自体に「不具合」があって(誤訳とかではなく、明らかに字幕をすっとばしてた箇所がちらほら)、確かに2回だけの上映のために字幕翻訳をする労力はどう考えても割に合わないので気の毒なのだが、ちょっと企画先行だったのかなという印象を受ける。いろいろやることがあるのでそのまま帰途につくも、日本シリーズを最後まで観てしまった。

☆秋深しドキュメンタリーの染み入るや

・11月8日。月曜日。別段することがなく、つれづれなるままに10枚ほどの原稿を書きはじめたものの、煮詰まったので、DVDで小津の「麦秋」を観た。種々の雑務をこなして、夜は東京芸術劇場にて五反田団の「迷子になるわ」を観る。ある意味では、とてもわかりやすいのだが、「その先は?」と問うと、どうも出口が見えない。こういうときに便利なのが、芸術(あるいは哲学でもよい)は問いを出すことが問題なのであって、答えを出すことは問題ではないという物言いであるが、これはどう考えても言い過ぎである。問いを出して考えさせるところまでいかないと。

☆冬立ちて保湿肌にや女子気分

・11月9日。火曜日。「アセロラ体操」はどこかで身覚えのある動きだ……と思って調べてみたら、キノコだったらしい。昨日から書きはじめた10枚ほどの原稿を書きあげ、またべつの10枚ほどの原稿を書きはじめる。しかしいまひとつ筆が乗らないまま、時間切れ。しかも降りる駅を間違えて、西巣鴨にて黒田育世の公演を観る。ダンス自体はうまくても、構成と背景にある物語が下手だと、客はうまく舞台に乗ることができない。結果、日本ではめずらしいくらい途中退室する客も目立った公演となった。Hさんに挨拶をして、まっすぐ帰宅。

☆寒けれど汗をかくから半袖で