11月25・26・27日

・11月25日。午後、目白の自由学園明日館へマレビトの会の「二つの都市をめぐる展覧会」を観にいく。かなり観客の自発的な参加が必要とされる作品だが、構成がきちんとされているので、あるポイントから楽しめるようになる。指定された3時間のうちに、会場のエントロピーが増大したり、減少したりするのが、とても面白い。ヒロシマを題材に「芝居をすること」をユーモアへと転化するという不謹慎さも、いいアイデアだったように思う。夜は、池袋の劇場にて岡崎藝術座の「古いクーラー」を観る。神里はおそらくかなりの部分で岡田の影響を受けていて、「俳優をいじめるのが劇作家」という意識がなんとなくあるような気がする。何もこれは日本だけの現象ではないだけに、「何か」が足りない印象が否めないのだが、もう少しきちんと言葉にする人がいないといけない気はしている。褒めるのであれ、けなすのであれ。

☆湯豆腐の湯でゆすぐ黄のマグカップ

・11月26日。午前中は通常業務。午後、池袋の劇場にマームとジプシーという劇団のハローバイバイというようなタイトルの芝居を観る。若い劇団には頑張ってほしいが、久しぶりに褒めるところが見つからない劇だった。これはもしかすると、観る側の能力値の問題なのかもしれない。申し訳ない。夜は再び池袋の別の劇場にて、ドイツ座の「野がも」を観る。90分程度の静かな、でもどこかおかしい野がもだ。舞台装置は「幾何学的に」構成されていて、ミニマルな舞台ながら、面白かった。以前見たのがタニノクロウの森をつくりこんだ「野がも」だっただけに。いずれにせよ、イプセン劇は俳優の力量がかなり試されることは、間違いない。むずかしい劇だ。夜は新宿に移動して大学の友人たちと3人で食事。歌舞伎町にてバッティングを3ゲームずつ。1ゲーム28球のうち、27奪三振くらいされた。機械ごときに。しかも90キロ(←小学生並みです、ええ)。

☆寒波くるや歌舞伎町にて三三振

・11月27日。土曜。プリウスのCMにおける菅野美穂の喋り方が、菅野美穂の物真似みたいになっている。ちょっと唾液をもてあましているような、喋り方である。今日は、昼の1時から8時間の上演を観にいく予定だったのだが、あまりにやらなければならないことが終わっていないのと、8時間の上演を8時間観る必要はないというので、最後の1時間だけ行けばいっかと思っていたら、案の定、家から出ることはなかった。無事、仕事が終わったらうまい焼き鳥屋で熱燗とでもいきたいところだ。ちなみに、焼き鳥は冬の季語で、春樹氏(←もちろん村上ではなく、角川である)は、次のように書いておられる。「鳥肉を串にさして焼くのであるが、うまいまずいはタレしだいである。焼き鳥というと、屋台の焼き鳥を連想するが、あれはおおかた、牛や豚の臓物である。冬は鳥類のおいしい季節で、すずめ、かも、つぐみ、やましぎなどがあげられる」。うーむ、つぐみなど、いまだに食べられるお店はあるのであろうか。

☆焼鳥の串いくつぞと数えをり