5月14・15・17日

・5月14日。土曜日。8時に起きる。「芭蕉矢立の地」千住にて吟行。メンバーではないにもかかわらず参加させていただきましたのは何の因果か。そのうえ、選もいくつかいただいたのは贅沢者である。しかし「アウェーの戦い方をしてたね」とNさん。そりゃ完全アウェーですから。巨人ファンが柏レイソルのゴール裏にきてしまったようなものである。無事、句会も終了して延々と飲みつづけること5時間。当然だが、行く先々で「お前は何者であるか」と訊かれる。自分でも自分をアイデンティファイできないというのは、なかなか嬉しい経験である。かなり酔っぱらっているようだ。

・5月15日。日曜日。近所のカレー屋でマトンカレーとチキンカレー。夜は三鷹芸術文化センターで東京タンバリンの「ロマン」。主演(?)の扇田拓也の頑張りが「健闘」に見えてしまうのは、どうしても筆のほうが弱いからだろう。パフォーマンス性を押したいのか、しっかりと台本を書きたいのかが、見えないのである。3月に西荻で行われた公演には行けなかったので何とも言えないが、もっとパフォーマンス的なもので責めたらどうなのだろうか。とかいいつつ、秋にはフランスの劇作家の演出をやったりするわけだが。

・5月17日。火曜日。寝不足。夜はシアタートラムにイキウメの「散歩する侵略者」という芝居を見たが、あまりにひどくてイキウメにしたくなった。ウェルメイドにもなってないのだが、まさかトラムで「ヴォードヴィル劇」を見ることになるとは思わなかった。早くも2011年のワーストワンの候補なのではあるまいか。誰かが言っていた、昨今の演劇は「一億総明治座」であると。フジテレビに入社した明治座のオーナーの娘だか孫には申し訳ないが。忍耐強いわたしも最後まで黙って見ていることはできなかった。あえなく途中退室。宇宙から侵略者がきているなら、自分たちから「演劇」という概念を奪われたらどうかを考えた方がいいと思う。