7月3・4・5日

・7月3日。日曜日。昼から新幹線で静岡へ。フランス人の演出家による「ヒロシマ・モナムール」を観る。一部疑問は残るが、作品としてきちっと立場が提示されていたと思う。演出家はサド、マゾッホについでこのデュラスの作品を取り上げているということで、きわめて政治的な作品であると見ることも十分に可能。前作を観ていないからなんとも言えないが、音声的な演出以外にもいろいろと切り口が豊富な作品だった。

・7月4日。月曜日。終日、研究会の準備など。いろいろと失敗が積み重なり、ご迷惑をかけてしまった(しかも翌日になって気付いたことだが、この時点で自覚していたよりもはるかに迷惑をかけていたらしい)。あまり飲む元気もなかったのだが、駅前でビール3杯ほどと、西荻駅前でホッピーを2杯ほど。話題は精神分析にまで及ぶ。すごく頭のいい人でも、打ち解けた話になると「何を言いたいのかわからない」という人がいる。そうした「謎」について。

・7月5日。火曜日。昨日の疲れからか、やや寝坊。駅までも駅からも猛ダッシュで汗だくの火曜日。昨日参加してくださった方々にお礼のメイルなどを出す。それと翻訳を進める。6月中に試訳を送ってほしいということだったのだが、まだ送っておらず、焦り始めて訳している。しかし冒頭から強姦のシーンとは…(しかもきわめて凡庸な)。夜は三鷹でサンプルの「ゲヘナにて」を観たが、これまた凡庸な想像力であった、あるいは受け手の想像力が凡庸