7月30・31・8月1日

・7月30日。土曜日。午後から一橋大学で研究会。国立に戻って来るのは、ちょうど1年前にゼミのOB会で恩師に最後に会った時以来になる。今日はまた別の恩師による後期マラルメについての発表。とくに参考になったのは群衆論で、芸術の危機、表象の危機とは言うけれど、この時代に初めていまみたいな具体的な観客像が出てきたのかなと。しかし一番驚いたのは宴会で紹介された先輩のTさんである。同じくS先生の教え子で、大学院も同じだというだけならそれほど驚かなかったかもしれないが、何と高校も同じらしい! 富士見通りのイタリアンのあとはブランコ通りのバーでウイスキーを飲み、雨に濡れながら帰宅。刺激的な一日だった。

☆汗ばむや大学通りの大学に

・7月31日。日曜日。楽しみにしていた句会の予定も、残念ながら別件で欠席。泣く泣く欠席投句をMさんにメールして、恵比寿へと向かう。所属協会の年次総会およびシンポジウムの準備・運営。ひさしぶりにお会いする方々にご挨拶など。30年以上継続している研究会の成果が、昨年から今年にかけて具体的な成果となって刊行されているのを見て凄いと思っていたが、シンポの場で見せつけられた阿吽の呼吸に驚かされた。30代の若い先生から70代の大先生までが自分の得意分野を生かしているのが見事。散会後はガーデンプレイスの居酒屋でビールを4、5杯ほど。

☆古典とは何ぞと問ひぬ冷し酒

・8月1日。月曜日。8月になってしまったので、まずは7月末締切の原稿書き。原稿のネタづくりのために、ザッハー=マゾッホを読みながら、アラン・レネの『二十四時間の情事』をDVDで観る。筋はものすごく単純なのに、デュラスの台詞が時々難解。それ以上に気になったのは、音に「あそび」があること。エマニュエル・リヴァが軟禁されてもがいている劇的な場面でも蛙がゲロゲロ鳴いてたりする(←回想シーンだからなのだが)。どっぷりと深刻な話をしているかに見えて、微妙な距離をとっている。とにかく、へんな映画だった。週末飲み過ぎたので今日は休肝日。

ヒロシマといふ男あり原爆忌