8月14・15・16日

・8月14日。日曜日。10時頃に起きる。少しだけ翻訳を進めて昼食。「チャーハンは俺の領分である」と親父がいい加減なことを言っていた。俺の領分である。13時台の「つばさ」に乗り込んで帰京。15時に浜松町駅集合、日の出桟橋から水上バスで浅草まで。黄金色のアサヒ本社ビルの側面にちょうどスカイツリーが映って見え、それが水面にうっすらと黄金色に(夕日でもなんでもないのに)映る。その後、浅草を1時間ほど歩いて大衆酒場「ニュー浅草」で句会。吟行での固有名詞の生かし方が参考になった。うまい人は「今日の場じゃなくても通用する」句をつくっている。その後「あづま」で純レバ丼などをつつきながら2次会。10時頃に切り上げて、みんなで帰宅。今日は「盆の月」だった。

☆秋暑し弁士の塚は夢声より

・8月15日。月曜日。6時頃に起きる。今日は翻訳の打ち合わせだったのだが、別件の仕事が大幅に遅れているために延期。昨日からやや体調不良。体調というには局所的で、口のなかがなんだか「ざらざら」している。当然ながら、何かを食べても美味しくない。うーん。というわけで、朝も昼もサンドイッチに珈琲とした。気休めに栄養剤。そして休養。自宅にて9月のレクチャーのチラシの校正。4人の講師の顔写真のうち、自分がいちばん真面目だ。失敗した。小さい頃の写真でも送稿しておくんだった。脳にも栄養が行き届いていないようだ。気休めに栄養剤。そして休養。

☆栄養のちよつと足らざる終戦

・8月16日。火曜日。午後から神奈川芸術劇場で杉本文楽「曾根崎心中」。3月に地震で「無期限延期」となった作品を、某財団の補助によって文楽のおじさんたちが唯一時間のあるお盆の時期にやることになった。作品はヨーロッパの現代演劇のような抽象的な舞台装置で、当然ながら劇場も高くて大きい。いわゆる文楽ではない。だが、こういう試みはやっぱり評価すべきだろう。文楽の観客は「これは文楽ではない」というと思うが、それでいいと思う。現在の文楽の環境から考えれば、ある種「奇跡」のような公演だったかもしれぬ。その後、友人HくんのプレゼンツでU先生を囲んでお茶会。皆さん「文楽的なテクスト(の読み)」を期待していたようで、気持ちいいくらい批判的だった。その後、HくんとKさんと中華街で軽く食事して、瓶ビール1本強ずつ。

九平次のごと悪たらむ盆芝居