8月26・27・28日

・8月26日。金曜日。午後より、新宿ルノアール(今週すでに2度目)にて仕事の打ち合はせ。共訳者の方が研修でカナダに行つてきたので、メイプルシュガーの小瓶をいただいた。フレンチトーストでも作つて食べることにしやう。仕事のはうはそれなりに有意義な議論ができたと思ふ。さうさう、編集者の方は仕事で中国に行つてきたらしくて、「高速鉄道、乗つて来ました!」と大はしやぎだつた。日本にいる上司には、ちやんと遺書めいたメイルを送信したさうだ。埋められなくてよかつた。そして、こちらからは北京ダック味のお菓子をいただいた。夜は神保町にて句会。Nさんが取り仕切つてゐる句会にお願ひをして混ぜていただいたのである。しかし(Nさんの言ふところである)「アウェイの闘ひ」だつたらしいが、まるで楽しい時間であつた。これまでは「相手に伝はる」といふことが「いいこと」なのだと思つてきたが、それが俳句を始めてから揺らぎ始めてゐる。

☆お土産は均等なりし涼新た

・8月27日。土曜日。午後より、下北沢OFFOFFシアターに、劇団フライングステージの「ハッピージャーニー」を観にいく。主人公(男)が付き合つてゐる男(真面目さう)と母親と3人で北海道の実家に墓参りに行くといふ話。新幹線の車中で以前付き合つてゐた男(ややいい加減)と鉢合つてしまひ、しかも、間違つて途中下車した仙台で、元カレが旧知の活動家のゲイの友人と出会ひ、その男の自宅にみんなで一晩お世話になつてから、北海道に向かふ。そのなかで少しづつ意見の相違がほぐれていく…といふコメディである。面白かつた。ただ、登場人物は役割がはつきりしてゐるから、裏切りの要素がもう少しあれば物語にもつと厚みが出るのかなと思ひました。夜は新宿で後輩とその彼女と3人で食事。西口の「ぼるが」で瓶ビール1本、そのあと西武線沿ひの立ち飲みフレンチで白ワインなど。ここの店の白レバーの網焼きはうまいね。口のなかで破裂する卵も元気が出さうだ。歌舞伎町のバッティングセンターで2打席ばかりやつて(今日は好調だつた)、9時頃に帰宅。

☆居酒屋のテレビで見たる花火かな

・8月28日。日曜日。夕方より、新宿ゴールデン街劇場で、東京乾電池「門番の秋」といふ芝居を見る。初演を見てゐるはずなのに、階段があることを除いて、すつかり内容は忘れてゐたのが、これを見てやうやく思い出しました。あの階段の使用は、とても演劇的にといふか、「階段だけど階段ではないもの」として使はれてゐて、面白い。あの狭い劇場で4人の役者全員があの階段にあがる場面などは名シーンですね。それも、テレビ的な想像力しかないと全然面白くない。テレビでやるのはまづ無理でせう。演劇的な演劇かどうかは「この芝居はテレビでできるか?」と考へてみるといいと思ふ(できるものは案外、多い)。今日は友人4人と一緒だつたので「ライオン」にて食事。18時までは800mlのビールが1リッターになるといふので、それを2杯飲んだらもうお腹一杯。のはずが、ほかの3人(ひとりはまつたく飲めない)はそこからさらに2、3杯飲んでゐた。ほんと、飲むなあ。すごいや。

☆生身魂学者はへんな人ばかり