8月29・30・31日

・8月29日。月曜日。夕方より、神保町にて句会。500句近いなかから、よかつたと考へる句を5句選ぶ(巧い人はもう少し多めに選ぶ)システム。私は5句とも「新豆腐」といふ季語で作つてみたのであるが(後々考へるとこれはなかなかリスキーだつたやうな気もする)、点が入つたかどうかといふ観点からすれば、まづまづだつたのではないかと思ふ。が、きつとそれだけでは駄目なのでせうね。この場では、自分の思考(嗜好と書いてもいい)を一次高いところから見下ろすやうな句をつくらねばならない(気がする)。いつもやつてゐることを捨てて、違ふ視点から作つてみるべきだ。と思つたりもするわけですが、当然のことながらなかなかむつかしい。とにかく、さういふ意味では完敗。私も若い人たちの柔軟性を見習はなければならないなあ、と思つた。ビールを少々(混み合つてゐたので旨かつた)、ワインをボトル1本ほど。E盛さん、S古田さんと古本の話など。

☆新豆腐けふもぶつかりあつてゐる

・8月30日。火曜日。午後から書類づくり。面倒な仕事である。完全に仕事の配分を間違つた。仕方ないね。やることにするか。なにせ締切が明日だ。それに明日以降に持ち越したら、だらだらと引き延ばした挙げ句、同じやうな苦しみをまた味わふことになりかねない。といふことで、心を決めて職場に泊まつて作業を進めることにした。結局、早朝の5時までかかつたけれど、これで暫くは面倒な仕事を他の人にやつてもらふ言ひ訳ができるといふものでせう。面倒な仕事を引き受けぬためには、先に面倒な仕事をやつておく(相手にこの人も頑張つてゐるんだから仕方ないな、一丁やるかと思はせる)、これは仕事の鉄則ですね。逆に、面倒な仕事を相手にやらせてしまふと、後でもつと面倒な仕事をやらされるはめになる(最悪)。しかし、8月も終はりだといふのに、早朝でもまだ暑い。通勤する人たちの流れに逆流するといふのは滑稽でいい。

朝顔の蒼の染み入る朝帰り

・8月31日。水曜日。3時間ほど寝て出勤。当然だけれどとても眠たい。午前中は昨日の仕事の片付けをして、今日で退職する同僚を囲んで近所のフレンチ(レストランの表記が間違つてゐる!)に足を運ぶ。スープ、メイン、コーヒーがついて1050円(どさくさに紛れて奢つてもらつた)。私は鳥のコンフィを頼んだのだが、なかなか旨かつた。本当は白ワインでも頂きたかつたけれど、3人は午後も仕事なので断念(真面目だなあ)。10か月間、ありがたうございました(昨日頂いた詰め合はせ、早速食べやうかと思つたら、石鹸でした)。夜は、四谷三丁目の中華料理屋にて、来週からパリに留学する友人Kの壮行会。平日にも関はらず、社会人の皆さんも含めて10人近く集まつてくれた。3時間以上だらだらと飲み食いしてゐたけれど(瓶ビール15本と紹興酒3本ほど)、いまから思ひ返せば、勉強(研究)の話にはまつたくならなかつた気がする。酔つ払つたら研究(仕事)の話にでもなるかなと思つたんだけど、みなさん適量だつたんですねえ。私も適量だつた。

☆またひとり送り出したり初嵐