9月19・20・21日

・9月19日。月曜日。昨日は3時間ほどしか寝てゐなかったので、たつぷりと寝て体力回復。午後からKさんとモダンスイマーズの「どん底スナイパー」を観にいく。今回はいつも作品を書いてゐる蓬莱竜太が「お休み」で、いつも役者で出演してゐる古山憲太郎が作・演出。中学生や高校生が演じたら、きっと面白いのかなと思はせる作品だつた。ただし、ストーリーがかなり「ありさう」な話である分(「20世紀少年」を圧縮したやうなお話である)、細かな部分の粗が目立つてしまつていた(刑務所の面会室で物を手渡せるのかや、そもそもどうして刑務所に入つた犯罪者がタイムマシーンの実験台となつてゐるのかなど設定がやや「小劇場的」だつたか)。少し早い時間だつたけど、終演後は渋谷の沖縄料理屋で軽く飲みにいき、俳句の話とバシュラールの詩論(のだめさ)などについて。

敬老の日のタイムマシンばなし

・9月20日。火曜日。台風が接近してゐるらしい。なんとなく仕事が落ち着かない感じがした。夕方から神保町のお店にて、Wさんの送別句会。Wさんは、ぼくがまだまだ新参者であつた頃から温かく迎え入れてくれた方の一人である。お仕事を退職して、お母様の介護のためにご実家の四国中央市に帰られるとのこと。50年ぶりに故郷に舞ひ戻ることを決めたのは、もう7〜8年も前のことらしく、話を聞いているうちに2050年頃(生きてゐれば67歳)の自分の老後の身の処し方を妄想してみたりもする。そして、4句選ぶなかでWさんの句を2句もいただけたのは、嬉しい限りであつた。テクニカルなレベルでの巧拙ではなく、読み手の「想ひ」と「ことば」の関係(「ことば」の外側にゐるのではなく、「ことば」のなかで溺れるやうな関係)が滲み出てゐた句だつたと思ふ。句会の後はもちろん酒宴。K人さん自ら捌いたといふ鮪の刺身うまし。

☆秋遍路清記用紙が納札(おさめふだ)

・9月21日。水曜日。窓を叩く雨音で目覚める。ただいま大型台風が通過中。3時頃から6時頃までは家から出られる状態ではなく、ちやうど仕事が休みだつたので、よかつた。部屋のなかでぬくぬくと……と油断してゐたせいか、まさかの雨漏り。慌ててボウルで水滴を受けにゆく。天井を見やると、1メートルほどの亀裂が入つてゐて、その中心部に1センチほどの穴があいてゐる。最上階ではないといふのに、一体どうしたことであらうか。大家さんも、不動産屋も電話が通じない。とりあへずは、穴が開いた部分がほんのすこしでよかつたよかつた。明日、また電話してみることにしよう。夜は台風もおさまり、爽やかな風を感じる。友人Fの誘ひに応じて、吉祥寺で軽くビールを飲む。電車がなくなつてしまつたので歩いて家まで帰る道、井の頭公園の周囲は折れた木々や葉っぱで満たされてゐた。最近、目が悪いのでうつかりしてゐると、枝が突き刺さつてしまふ。

☆さまざまな枝葉の道を台風過