9月22・23・24日

・9月22日。木曜日。晴れ。昨日の一件でさっそく朝方に電話があり、まづは現場を見せてほしいとのこと。といふわけで明日、見にきてくれることになつた。今日は普通に仕事をして、夜は新宿でミナモザの「ホットパーティクル」を観劇。劇中に「ミナモザはいちおうドキュメンタリー演劇を主としてゐる」といふ内容の自己言及的な台詞があるのだが、いわゆるドキュメンタリー演劇ではない。劇団主宰者が「行動的」なだけである。原発について何かをつくらなきゃ!と思い立つた劇団主宰者が「福島に行く」といふのが主筋ではあるが、そこに日常(といふか恋愛的生活)が交じり込んで一体化する(←このあたりは瀬戸山の「行動的」な部分であらう)のがポイントなのでせう。この主宰者役を福島出身の女優にやらせるのなら、この女優の生活が入つてきても面白かつた(もっとわけがわからなくなつた)だらうし、そこらへんはドラマターグなる役割が最後まであいまいなままだつたことで、かなり「ゆるい」仕上がりになつてゐたやうに思つた。終演後、知人と近所の居酒屋で瓶ビールを2本ほど。

☆秋の蚊の来て友達がまだ来ない

・9月23日。金曜日。秋分の日の秋晴れ。昼食は近所のカレー屋にてはうれん草のカレー。ネパール人店主と一昨日の台風の話など。午後に管理人の立ち会ひの下で施工業者のおじさんが来てくれて実況検分。まだわからないので調査しますといふ回答だつた。夕刻から竹橋の学士会館にて天野小石さんの第一句集『花源』の出版記念パーティ。少しだけ小ぶりなサイズに美しい日本画が描かれてゐる装丁と、それにぴつたりと重なりあふやうな史的/詩的な句集である。京都と鎌倉といふ二つの古都をめぐる句が多いが、歴史学的な意味とはまた違つた歴史がそこには表象されてゐる。なんて難しい話は抜きにして、神保町のお店での2次会、そして3次会はパセラでカラオケといふ流れ。すべてが終わつたのは深夜2時で、当然帰ることができないので、若手(俳人)の人たちとともに、M上さんのご自宅にお邪魔させていただく。あの奇麗な部屋にビールをぶちまけてしまつた。本当にすみません。

☆古都の秋老ゆることなき言葉たち

・9月24日。土曜日。早朝5時半頃にアニメを見終えたOくんを残して、Mさん、Rちゃん、Fちゃんと4人で先に退室。本所吾妻橋駅から浅草駅を目指して歩いてゐたら、やや迷子になつてしまひ、危うく吟行が始まるところだつた(さすが俳人である)。ほとんど眠りながら、8時頃に帰宅して床につく。3時間ほど寝て仕事に向かふ。仕事を片付けて、夜は森下で2か月ぶりにフットサル。来月から仕事でメキシコに赴任するIの壮行会も兼ねてゐたので、心なしか、いつもよりI木にボールが集まつてゐた気がする。終了後、みんなで近くの居酒屋へ。壮行会のはずなのに、来月結婚パーティをするNが奥さんを連れてきたので、とてもコングロマリットなお祝ひの席となつた。なのに相変はらず、ドラマのやうな恋(妻子持ちの39歳の上司との不倫)に憧れるSへの説教。もちろん我々は、ポストドラマ的な恋をせよ、と言つてゐるわけではありません。そんな話を肴に、T原と新宿駅で飲み直して終電で帰宅。

秋桜グアダラハラが赴任先